2018/4/4に発売になったパスピエのミニアルバム「ネオンと虎」を買ったので、感想書いておきますね。今作の「ネオンと虎」はバンドらしさも戻り、多彩なサウンドの中にパスピエらしいキャッチーさもちゃんとあって、とても良いアルバムだと思いました。また、歌詞も以前のような不思議な世界観だけではなくて、ボーカルの大胡田さんの感情が込められた歌詞へと進化してきているようにも感じられましたよ。
ネオンと虎ジャケット

パスピエのミニアルバム「ネオンと虎」を聴いた感想

ネオンと虎は以下の7曲入りのミニアルバムです。
1 ネオンと虎
2 マッカメッカ
3 Matinée
4 かくれんぼ
5 トビウオ
6 オレンジ
7 恐るべき真実

CDを開けてまずは普通に再生ボタンを押して曲順通りに再生したのですが、1曲目の「ネオンと虎」のイントロからキャッチーで高速な電子音から始まってきて、すごく期待できる感じがしました。ドラムのビートもとてもバンドらしいです。タイトルの「ネオン」に象徴されているように近未来感のある曲でいい感じです。

2曲目の「マッカメッカ」は歌詞が韻を踏んでいて、ヒップホップとパスピエらしいバンドサウンドが融合した曲。大胡田さんはいかにも歌上手いと感じさせるようなタイプのボーカルではないと思いますが、この高速なラップ調の歌を歌いこなしてていて、実は相当歌うまいよねと思いました。また、各楽器のバランスがいいなと思いました。リズム隊の音量がアメリカのポップスみたいな重低音が強すぎるところもなくて、ちょうどいい感じですよね。ギターの音色がアクセントにもなっててすごくいいし、ベースのソロ部分もあって露さんファンも喜んでそう。

3曲目の「Matinée」はとてもキャッチーで乗れる曲です。ライブでも盛り上がりそうですね。検索したらMatinéeはフランス語で「朝」という意味みたいです。サビ前の「マーチーネー」やサビの「とぅっとぅっとぅーる・・・」がいいですね。「マーチーネー」の3音が色んな所で繰り返されているのも耳に残ります。歌詞カードのクレジットを見ると、この曲にはバイオリンのサポートが入っているんですね。パスピエでバンドメンバー以外のサポートがあるのって今まであったっけ?と思いました。ちなみにドラムはOTONARIさんやライブの時もサポートしてくれていた佐藤謙介さんが全曲されているみたいですね。

4曲目の「かくれんぼ」は歌詞にストーリー性もあって、内面の感情が表に出ている曲。歌詞にパスピエの進化を感じられました。最初は子どもの頃にかくれんぼをして遊んでいたときの思い出の歌かと思いましたが、以前は顔を隠していたパスピエが顔出しをし始めて今に至る状況と重なるような歌なのかもしれません。ミドルテンポな曲で歌詞を聴かせる歌ということで今までのパスピエには少ないタイプの歌ですね。

5曲目の「トビウオ」はアップテンポでさわやかなメロディーとサウンドで、ネオンと虎の中では一番今までのパスピエに近い曲ではないでしょうか。「考えようじゃ晴れ模様」「生まれ変わるさ 何度でも」などといった歌詞に、逆境でもとても前向きに考える意志や決意のようなものを感じられて、聴いている方も励まされます。

6曲目の「オレンジ」はシティーポップ風なサウンドで、パスピエの音楽的な多彩さを感じられました。キーボードの成田さんを中心としたアレンジもさすがですし、色々なタイプの曲を歌える大胡田さんもすごいです。

7曲目の「恐るべき真実」は成田さんがクラシック出身なだけに、ロックバンドのサウンドでオーケストラをやっているような壮大なバラード曲だと思いました。ライブでどういう感じになるか見てみたいです。

おわりに

「ネオンと虎」全体を通した感想としては、今のパスピエは色々なジャンルの音楽を取り入れて多彩なサウンドを聴かせてくれるなあということで、その多彩さを今までのパスピエらしいキャッチーで乗れる音楽と融合してきていると思いました。

また、前作の「OTONARIさん」ではドラマー脱退の影響をかなり感じてしまって個人的に少し心配になってた部分も正直あったのですが、「ネオンと虎」ではドラムがいない違和感や急いで作ったような感じも無くなってて、バンドとしての一体感が出てきて良かったです。特にマッカメッカやMatineeなどは聴くほどにハマっていくようなスルメ曲な気もしていますよ。