ここ最近、退職手続き関係の記事をいくつか書いてきましたが、この辺りできちんと退職エントリーも書いておこうかと思います。

最近のブログやTwitterではできるだけ辛そうなところを見せないで、できるだけ楽しいことを書くように心がけていたのですが、今まで勤めていたIT関係の会社(某大手SIer)を休職期間満了による会社都合で退職しました。今後は身の丈に合った仕事と生活を送りながら、無理しない生き方ができるといいなと思ってます。

あわせて、休職した人や退職した人が気になる手続き(雇用保険、健康保険、国民年金、確定拠出年金、退職金・企業年金など)のこともまとめておきます。

解雇された人

休職期間満了で会社を解雇されました

大学卒業後、新卒でシステムエンジニアとして某大手SIerに入社し、その後ずっとその会社に勤めていました。ですが、実は、顧客先常駐(SES)の仕事でメンタル不調になって、ちょっと前から休職していました。自分のストレス耐性が無くて色々と辛かったです。

復職に向けたリハビリもしていたのですが、結局、復職はできませんでした。会社側が復職許可に要求するハードルが高かったこと、会社や職場での配慮が期待できなかったこと、自分自身の中で復職すると再発するのではないかという不安が拭えなかったことなどがあって、復職を諦めざるを得なかったです。そして、休職期間が満了した(就業規則で定められている休職できる期間の上限に達した)ので、会社を解雇されるということになりました。

詳しい事情などを書くと会社側にエゴサーチされて身バレしたら嫌なので、私についての話はこれくらいにしておいて、休職中の人や退職した人のお役に立ちそうな話題についてブログに書いておきますね。

休職中

復職か転職か?

大前提として、メンタルで休職したばかりで鬱状態の時は判断力も落ちているので、勢いで会社を辞めない。退職、引越、離婚などの人生に大きな影響を与える決断は先送りするというのが、非常に重要だと思います。

あと、選択肢は多いほうが良いです。トランプ氏が北朝鮮に向けて言っていたような、「すべてのカードがテーブルの上にある」的な感じでいきたいですね。

なぜか、休職した人の多くはまずは復職を目指す人が多いかと思いますし、精神科・心療内科の医師やスタッフなども復職を第1選択肢として勧めてくるのかと思います。私の主治医もとにかく復職しろという一点張りでした。ですが、周りの人たちは「まずは復職を目指すべき」という考え方に捕らわれ過ぎている気もしました。

私の場合はもう会社を辞めてしまいたいという気持ちも強かったので、焦って退職してしまうのを防ぐために、主治医はとにかく復職を目指せと言っていた可能性もあります。だけど、今は終身雇用の時代から変わりつつありますし、辛かったら気軽に転職してもいいと個人的に思うようになってきました。同じ職場に戻る場合は再発の危険性も高いと思います。会社なんて星の数ほどありますし。

本当にその会社で再び働きたいでしょうか?

どちらにしても、自分の意志を大事にして、後から後悔しないように行動していきたいですね。ただ、メンタル不調のときは自分の判断力が不安だと思うので、まずは時間稼ぎというのがいいかと思います。

会社側と争うべきか?

自分は復職したいのに、会社側が復職を許可してくれずに、退職に追い込まれるパターンも多いのかと思います。私の場合も会社側(産業医や人事)が求めてくるレベルが非常に高かったです。厳しいリワークに行くことを求められる場合もあるでしょう。

そのようなときに会社側と争うかどうか迷う方もいるかと思います。自分の場合は、会社と争う気力もないし、仮に争いに勝っても得られるメリットも少ないと思ったので、無駄に争わずにちゃんとお礼を言って円満に退職してきました。どうしても会社にしがみつきたかったり、損害賠償を求めないと気がすまないという人は裁判も視野に入れて頑張ってもいいですが、私はそんな余計な労力を使うのがもったいないし、自分自身で環境を変えることで働き方改革していきたいと思いましたよ。

逆にスムーズに復職したい場合は、会社(産業医、上司、人事など)の言うことも聞いて、リワークに行くなどのリハビリを頑張るといいと思います。会社側のいうことも一理あるかもしれませんし、生活リズムも整えられるし、認知行動療法などで物事の捉え方・考え方を改善できて、再発予防にもつながるのでなかなかいいですよ。それに孤独な休職期間でも同じ境遇の他のメンバーやスタッフなどと会話する機会があるというのが良いです。横浜市民だとリワーク・デイケア等に通うための交通費補助があって、後からお金もらえます。そういうのないって言ってた他の周辺の自治体に住んでる人もいましたが・・・。

退職後

休職期間満了時の離職票の退職理由は?

残念ながら?退職にすることになってしまった場合、退職後はハローワークで雇用保険の受給を手続きをするかと思いますが、雇用保険に大きく影響してくるのが、離職票に書かれる退職理由です。

休職期間満了時の退職理由(離職票-2に書かれる理由)は、会社によって様々みたいで、大きく分けると会社都合、自己都合、自然退職という3つのケースがあるみたいです。

  1. 会社都合(解雇)・・・「4.事業主からの働きかけによるもの-(1)解雇」
  2. 自己都合・・・「5.労働者の判断によるもの-(2)労働者の個人的な事情による離職(一身上の都合、転職希望等)-①職務に耐えられない体調不良、ケガなどがあったため」
  3. 自然退職・・・「6.その他(理由欄に休職期間満了などと書かれる)」

離職票のコードですが、1つ目の会社都合の場合は1A(11)になります。2つ目の自己都合と自然退職の場合は、正当な理由のある自己都合とハロワに認められれば3C(33)または3D(34)、普通の自己都合退職とされてしまうと4D(40)または4D(45)になるようです。

会社都合(解雇)の場合は「特定受給資格者」になるので、雇用保険をすぐ貰えて(7日間の待機期間はありますが)、給付日数も長くなるという意味ではいいと思います。
※解雇の場合でも、雇用保険を受給するためには働ける状態でなければいけないので、ハロワの窓口でうつ病などのメンタル疾患で休職してましたと言うと、障害者窓口に回されて、「主治医の意見書」を提出することで働ける状態であることを示してほしいと言われるかもしれません(その時のハロワの窓口の人による)。

会社都合(解雇)にしてもらえず、自己都合や自然退職とされた場合、メンタルでもフィジカルでも病気のせいでやむを得ず辞めたのであれば、医師の診断書や「主治医の意見書(今は働けるようになったことを示す書類)」を提出する必要があると思いますが、「特定理由離職者」に認めてくれると思います(ハロワで相談したほうがいいです)。そうすると、雇用保険は3ヶ月の給付制限を待たずに、すぐもらえると思います。ただ、給付日数は会社都合の場合のように長くはならず、自己都合と同じ期間になりますね。

参考・・・ハローワークインターネットサービス – 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要

離職票をハロワに持っていって手続きし、1週間ぐらい後に行われる雇用保険受給者説明会で貰える雇用保険受給資格者証の見本が下記になりますが、退職理由のコード、基本手当日額(1日あたり何円受給されるか)など重要なことが記載されますよ。
雇用保険受給資格者証の見本

メンタル疾患で休職していた場合は、病状と医者の判断にもよりますが、休職中に精神障害者手帳を取得して「就職困難者」になると、給付日数が増えると思います。病名によっては主治医の意見書だけでもハロワの審査次第で就職困難者に認定される場合もある、とハロワの障害者窓口の人は言ってました。ちなみに、手帳があると自治体によっては地下鉄やバスの無料乗車券を手に入れられるようです(東京都や横浜市など)。

私の場合ですが、会社の就業規則で休職期間満了での退職理由は「解雇」になると決まってました。なので、解雇されることは相当前から予想していたのですが、実際に解雇されてみると、「解雇」という2文字は精神的に堪えるものだと実感しました。古き良き、終身雇用的な価値観が自分にもまだ染み付いていたのでしょう。しがらみも無くなって、辛い仕事を抜け出して新しい道へ進めるという、スッキリと晴れやかな気持ちになる予定でしたが、実際は複雑な気持ちになってますよ。

あと、その地域のハロワによるのかもしれませんが、ハロワはお役所的な縦割りでたらい回しにされたりして、手続きするのに苦労します。でも、その時の窓口の人によっては親身に話を聞いてくれたりもするし、よくわからないです・・・。

退職後の事務手続き

会社を辞めるのが初めての経験だったこともあり、退職後はどんな手続きをすればいいのだろうか、とても悩みました。私の場合、以下の手続きをすることになりました。その人や会社や住んでいる自治体によっても違いがあって書ききれないので、詳細についてはググってみてください。すみません。。。

  • 国民健康保険に加入する(退職した会社の健康保険の任意継続被保険者になる、または、家族の健康保険の被保険者になるほうが、金銭的に得な場合もあります)
  • 国民年金に加入する
  • ハロワで雇用保険の手続きをする(求職の申込み)
  • 退職金や企業年金の手続き
  • 企業型確定拠出年金を個人型確定拠出年金(iDeCo)に移管する

私の住んでいる横浜市の場合の話になりますが、国民健康保険についての手続きは下記の記事に書きました。健康保険証を手に入れるのに時間かかるので、健康保険証が無い期間がどうしてもできてしまいます。
横浜市の国民健康保険に加入しました。健康保険証はその場で手渡ししてくれませんでした

退職金や企業年金の手続きについては、受け取り方の選択によっては退職後ではなくて退職時の会社での手続きで完結します。退職金は後で会社から銀行口座に振り込まれるだけでした(退職所得の税金は優遇されており、私は退職金が少ないこともあり所得税はかからなかったです)。企業年金の手続きは馴染みがないし、Google先生も教えてくれなくて難しかったのですが、年金ではなく一時金で受け取ることにしました。詳しくは下記の記事に書きました。
退職した会社の企業年金の手続きをしました~一時金と年金どちらを選べば良い?

また、企業型確定拠出年金をiDeCoに移管する必要もあって、それまでやってこなかったiDeCoを退職後に開設することにしました。iDeCoについてはマネックス証券のサイトに詳しく書いてあるので参考にしてみてください。私は国民年金の減免(後述)をしたいので、「加入者」ではなく「運用指図者」になる予定です。

iDeCoの証券会社・金融機関の選び方ですが、下記の2点に気をつけるといいと思います。
・iDeCoで投資できる対象の投資信託が各社で大きく異なっている。
・証券会社・金融機関に取られる手数料が異なる。ネット証券だと無料or安い傾向にある。

私は日本やヨーロッパや新興国よりもやっぱりアメリカ株が有望かと思い、アメリカ株式のみを対象とした低コストなインデックスファンド「楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)」に全額投資したかったので、iDeCoで楽天VTIに投資できる楽天証券でiDeCoを開設することにしました。普通の証券口座は元々SBI証券に持っているのですが、楽天VTIはSBI証券のiDeCoの対象商品に入っていないんですよね。

※追記・・・SBI証券で2018/11/1から始まった新プラン「セレクトプラン」だと、eMAXIS Slim全米株式(S&P500)を楽天VTIの替わりに買えますね。

また、信託報酬が最低水準のeMAXIS Slimシリーズで先進国株式や新興国株式に投資できるマネックス証券もiDeCoに向いていると思います。ひふみ年金(注)もマネックス証券のiDeCoの対象になったこともあり、iDeCoの品揃え的にはマネックス証券がバランス取れてると思います。マネックス証券の資料請求はこちらからどうぞ。

楽天バンガードシリーズでアメリカ株式または全世界株式に投資したい場合は楽天証券、最安レベルで超低コストな投資信託であるeMAXIS Slimシリーズでリスクを分散して先進国株式・先進国債券・新興国株式などに投資したい場合はマネックス証券 or SBI証券のセレクトプラン(2018/11/1開始)が良いのではないでしょうか?

注・・・ひふみ年金・ひふみ投信は人気のせいで規模が大きくなりすぎて、日本の中小株での運用が難しくなってきているようです。個人的には、今までの高パフォーマンスを今後も達成できるか不透明な気がしてます。

社会保険料、住民税、奨学金の減免・猶予など

私も退職後は無職になるので経済的に相当厳しくなります。ただ、そのような場合でも自分から申請することにより、色々な減免が得られる場合があります。

前年の所得が少ない場合、会社都合による失業、非自発的な失業の場合は、国民健康保険料、国民年金、住民税の減免や奨学金の返還猶予・減額ができる場合もあるので、住んでいる市町村のHPなどを調べたり、役所で相談してみるといいと思います。

国民健康保険と住民税は前年の収入(所得)によって決まるので、減免できない場合はバリバリ稼いでいた人ほどきついものがあります。市町村によって多少異なりますが税率は合わせて所得の20%強ぐらいでしょうか。

国民年金は減免しないと月16,340円(平成30年度)の保険料がかかります。減免すると将来受給できる年金額が減ってしまいますが、受給資格期間には加算されますし、自分の負担分の額が減るだけで、国の負担分は将来受給される額に加算されます。

なので、私は将来貰えるお金よりも今の負担を減らしたいので国民年金の減免手続きをする予定です。長生きできないかもしれないですし、今後の日本の少子高齢化・人口減少を考えると、受給開始年齢が後ろ倒しになる可能性もあると高いと思うんですよね。さすがに年金がゼロになるとは思ってませんが、年金保険料の支払が65歳までで、年金受給開始は70歳からになるぐらいはありえそうだなと個人的には思ってます。

奨学金は返す時期を伸ばせるだけでいずれは返済しないといけないです。借金そのものが減るわけではないです。借りたものは返しましょうということですね。でも、経済的に厳しい時はとにかく先送りでいいと思います。利子も無利子か低利子だと思うので。

終わりに

いわゆる「普通」の人は大学を卒業してから40年ぐらい働き続けるわけで、サラリーマン人生って本当に長すぎです。勤め上げた団塊の世代の方々はすごいですよね。尊敬しますよ。

私は退職してしまいましたが、新卒カードで入った大企業だったせいもあって、以前は同じ会社でずっと頑張った方がいいといった終身雇用の時代の価値観に捕らわれていた面もありました。でも、一度辞めてしまったら、辛かったり合わなかったりしたら気軽に会社を辞めてもいいんだと思えてきました。健康を損ねるような仕事で無理して働く意味がわからないですし、長い人生の中ではこんな休憩時間があってもいいですよね。

しばらくは雇用保険を受給したり(一応就職活動もする)、ショットワークスにあるような短期バイトをしながら暮らしていこうと思ってます。

自分の資産的にはアーリーリタイア・セミリタイアはまだ無理なので、そのうちちゃんと就職してお金を稼ぐ必要がありそうです。今のところは、顧客先常駐ではないIT企業(自社開発、社内SE、Web系、スマホアプリ、自社でITサービスをやっている会社など)に転職するというのを考えています。

いっその事、ITから足を洗ってしまうという手もあるかもしれませんが、IT系/Web系に特化していてサポートも充実しているレバテックキャリアなどに登録して考えてみたいと思います。

最近は未経験からIT系エンジニアになりたい人が増えていて、Twitterでもたくさん見かけます。確かに、人手不足で転職しやすい業界ですし、プログラミング、ネットワーク、サーバなどの技術で手に職をつけられます。給与も高めで、年収400万円ぐらいならばそこまで難しくないです。

残業やメンタル的なストレスといったデメリットもありますが、他の人手不足で就職しやすい職種(介護や運送など)と比べると魅力的だと思います。隣の芝生は青くみえる的なところもあるかもしれませんが、エアコンの効いたオフィスでのデスクワークですよ。

後日追記・・・私はこんな感じでメンタル休職のブランクがある氷河期世代のおっさんなのに、あっさりと転職できてしまって拍子抜けしてます。なので、IT系のスキルを身に着けて今のうちに入り込んでおくと、これからの令和時代をサバイブしていくのに有利かと思いました。他の職業だったら転職に非常に苦労したと思います。

ベストセラーのビジネス書「LIFE SHIFT」も以前読みましたが、一つの会社に定年まで勤める終身雇用の生き方から、色々な会社を渡り歩いたり、勉強する期間もある生き方にシフトしていくという考えに共感しました。著者のリンダ・グラットン氏が100年ライフや働き方改革などで、政府の有識者会議に参加したというニュースも見かけましたし、今後の世の中の方向性を考える上でもLIFE SHIFTは一度読んでおくといいかと思います。

私のこれからですが、どんどん落ちぶれていくのか、それとも、新しい道で幸せに暮らせていけるのか、結局は自分次第ですよね。身体と精神を壊さない程度に頑張っていきたいと思います。

うちのブログは楽しそうなエンタメ系の記事が多いですが、中の人は実は失業しててこんな感じだったりします。好きな歌手のライブに行ってる場合でないのかもしれないね・・・笑