aikoの2018/6/6に発売されたニューアルバム「湿った夏の始まり」を買って、聴きまくっているところです。直近のシングル曲である「予告」や「ストロー」の曲調から、パリピなアルバムになってたらどうしよ?とか思っていたのですが、いい意味で自分の予想を裏切ってきた、とてもいいアルバムですね。アルバム発売から1週間経ちますし、そろそろブログに感想でも書いておこうかなと思います。

なお、感想を書くのに以下の公式的なインタビューを参考にしてます。

【aiko インタビュー】aikoが全身全霊で紡いだ濃密な最新アルバム | OKMusic

湿った夏の始まり | aiko official website

ちなみに、aikoの携帯サイト(Team aiko)会員が聴ける「あじがとレディオ」というのがあって、2018/6/6分でaikoがアルバムについて語っていたそうですが、そちらはまだ聴いてないです。まだ聴いてないあじがとレディオが貯まっていく・・・。
湿った夏の始まり(aiko公式サイトより)

aiko「湿った夏の始まり」を聴いた感想

さっそく1曲ずつ感想書いていきたいと思います。今回のアルバムは以前よりも歌詞カードのフォントが大きくなってて読みやすいですね。「湿った夏の始まり」は「しめなつ」と略していいのかな?

M1.格好いいな

作詞/作曲 AIKO | 編曲 島田昌典

1曲目の「格好いいな」と最後の曲の「だから」は久しぶりの島田昌典氏(島やん)がアレンジをされてます。前々作「泡のような愛だった」以来ですね。これだけでもaikoファンは歓喜しますよね。

島やん復帰ということはアルバムを聴き始める直前にTwitterで流れてきて知っていたので、懐かしい感じがするのかな?と予想していたら、すごくアグレッシブなストリングス?の音が聴こえてきて、aikoじゃないCDを掛けたかと思うぐらいでした。Aメロが始まってボーカルになると当然aikoなので、aikoの歌なんですけどね。

暗さを纏った歌で湿ったアルバムの世界へと引き込まれますが、歌詞に「ブス」とワードがあって、引っかかるaikoファン女子もいるみたいです。男性の自分の場合は「aikoかわいいよ全然ブスじゃないよ」と言ってあげたい感じなのですが、女子だとまた違う感じ方をするのでしょう。

M2.ハナガサイタ

作詞/作曲 AIKO | 編曲 OSTER project

アップテンポなギターロックです。テレビ(CDTV)でも歌ってました。aiko公式サイトのインタビューで「部屋の中のこもった空気感をうまく表現することができたなって思いますね」と書いてあって、確かにアップテンポだけど何となくインドアな感じもしますね。

一人称が「僕」で男性目線な歌詞ですが、キスのことで「硬い唇柔らかくなるまで繰り返すよ」という表現が生々しいけど、さすがaikoという表現ですね。

M3.ストロー

作詞/作曲 AIKO | 編曲 OSTER project

王様のブランチのテーマ曲で毎週土曜日の昼間にTBSから聴こえてくる歌です。「君にいいことがあるように」というフレーズが何度も繰り返されます。うちのブログのアクセス解析では「aiko しつこい」で検索してきている人を見かけました。あるように~あるように~あるように~笑

サビが縦ノリのビートで頭を振りたくなるサビになっていて、ライブハウスで聴いてみたい曲ですね。まだ私はアルバム発売後のライブLLP20に行ってませんが、どんな感じで盛り上がっているのかなぁ(さすがに歌わないってことはないよね?)。

M4.あなたは

作詞/作曲 AIKO | 編曲 川嶋可能

アップテンポな曲が続いてきましたが、この辺りでゆったりとした曲になりました。シングルのカップリングによく入っいるタイプの曲ですね。aikoの優しさや暖かさやお人柄の良さを感じられて落ち着きます。「aikoすき」ってなりますよ。

M5.恋をしたのは

作詞/作曲 AIKO | 編曲 川嶋可能

2年前の2016年に発売されたシングル曲で、大ヒットした映画「聲の形」の主題歌でしたが、テレビやライブであまり歌ってくれないレア曲でもあります(LLP20のセトリは私はまだ知らないですが)。当時は同時期に流行っていた「前前前世」と同じぐらい「恋をしたのは」も売れたらいいのになあと思っていたりしました。そこで微妙に控えめなのがaikoらしいのかもしれませんが。

CDを聴いて鳥肌が立ったり感動して泣いてしまうという体験ができる曲で、アルバムをリピートして聴いていても、この曲の持つパワーの強さを感じます。命を削りながら歌っているようなボーカルの凄みがあります。曲順考えるのも苦労をしたと思いますが、アルバムの中盤に配置しても浮いていないというのもすごいです。

曲の構成がAメロ、Bメロ、Cメロ、Aメロ、Bメロ、Cメロ、サビ、間奏、Cメロとなっていて、少し特殊です(Cメロと書いたパートがサビという説もありそうですが)。

途中まで淡々としているけど不穏な感じで進んでいって、サビでそれまで堰き止められていた感情が溢れ出して、間奏と最後のCメロになだれ込んでいくというのが、映画と重なる部分もあって尚更に感動します。

M6.ドライブモード

作詞/作曲 AIKO | 編曲 OSTER project

いつも歌詞を先に書くaikoですが、ドライブモードは曲先で作ったそうです。でも、ちゃんとaikoらしい歌になっていて、言われなかったら曲先だと全然気づかないです。アップテンポで明るい元気な曲でいいですね。

aiko「電車なくなったからどうする?どうしたい?」
俺「うちに泊まっていけよ♡」
と妄想してしまう歌詞がいいと思います。

M7.愛は勝手

作詞/作曲 AIKO | 編曲 OSTER project

とてもラブラブな歌詞とゆったりとした曲調で、幸せな気持ちになれる歌ですよね。aikoには幸せになってほしいと思いますが、ここまで幸せな歌だと少し複雑な気持ちになってしまうかも。。。今のaikoも結婚という形にはこだわらなくてもこんな感じで暮らしているのならいいのですが。

M8.夜空綺麗

作詞/作曲 AIKO | 編曲 川嶋可能

夜空綺麗はとても切ない曲で、aikoのボーカルも低音から高音まで良く動いていますね。ベースの音が大きめなのもいいですね。私もこのアルバムの中でとてもお気に入りな曲です。

CDのブックレットに演奏者のクレジットが書いてあるのですが、夜空綺麗のギターは若くして亡くなられてしまった弥吉淳二さん(やよっしー)が担当されているとわかります(しめなつの中では「恋をしたのは」と「うん。」もやよっしーがギター弾いてます)。

やよっしーの泣くようなギターの音色に心を動かされます(でも、この曲のエレキギターは浜口高知さん(浜ちゃん)も弾いてると書いてあるので、実は浜ちゃんが弾いている部分という可能性も・・・)。夜空綺麗の悲しさもある曲調とaikoの気持ちを重ねて想像してしまいますね。

歌詞も「振り返ったら悲しみが座って待ってた」「あなたとあなたとあなたと過ごしている」「蒼空知ってるふりして過ごしてた」などaikoの感情が感じられるフレーズが多くて切なくなります。

M9.予告

作詞/作曲 AIKO | 編曲 OSTER project

2017年後半にシングル曲として発売された、aikoデビュー20周年の始まりを予告させる、とても明るいアップテンポな歌です。私も最近良くないことが色々あったのですが、未来への希望を持てるような気がして、とても好きな歌です。

aikoの歌は聴く人によって色々な捉え方ができていいですね。(予告は珍しく恋愛の歌ではないですが)aikoの歌はほとんど恋愛の歌ですけど、恋愛の描写を通して人生を応援してくれている気がします。

M10.あたしのせい

作詞/作曲 AIKO | 編曲 川嶋可能

スカアレンジでとても明るくて楽しくなる曲。でも、楽器が突き抜けすぎずにちゃんとaikoの歌になっているバランス感覚がいいなあと思いました。LLP20はホールツアーだからホーン隊もいると思うので楽しみですね(セトリ知らないから、この曲をやってるかどうかわからないけどw)。ドラムの佐野康夫さんとベースの須長和広さんのリズム隊もとてもいいです。しめなつのドラムは全曲佐野康夫さんで、ベースも「夜空綺麗」と「うん。」以外は須長和広さんですね。

M11.うん。

作詞/作曲 AIKO | 編曲 OSTER project

ジャジーなバラードです。特にサビのロングトーンが絶妙な音程を突いてきていて、グルーヴ感もすごくてaikoにしか歌えない曲だと思います。最後のスキャットも何気なく歌ってますが、今までにない高音の部分もあるし、綺麗な声で素敵です。作詞や作曲だけでなくて、ボーカリストとしてのaikoももっと評価されるべきですよね。

M12.宇宙で息をして

作詞/作曲 AIKO | 編曲 OSTER project

複雑なメロディを作ってくるイメージがあるaikoですが、この曲はとてもシンプルなメロディーで懐かしい80~90年代ぐらいの歌謡曲みたいな雰囲気が感じられます。2番のサビ最後の「今夜宇宙で息をして」というフレーズも、手の届く範囲の身近な言葉が多いいつものaikoとはちょっと違う歌詞だと思ったりしました。

シンプルなメロディーで素直な歌い方だからこそ、切なさがとても伝わってきます。アレンジはOSTER projectさんで今の2010年代のaikoになっていて、新しさと懐かしさの両方を感じました。

M13.だから

作詞/作曲 AIKO | 編曲 島田昌典

The島やんといった感じの壮大なバラード曲。語彙力無いですけど、これでaikoファンには伝わりますよね笑。aikoのアルバム最後の曲はこれだというのを思い出しました。ストリングスが鳴っている壮大な楽曲ですが、aikoの日常や肌を触れる距離の近さも感じられる歌詞になっていて、ストローのMVに出てくるaikoの姿が目に浮かびました。

おわりに

こうやってアルバムの感想を書いていたら明るい曲が多いことにも気づきましたが、「格好いいな」「夜空綺麗」「宇宙で息をして」といった暗めの曲が印象に強くて、「湿った夏の始まり」はシリアスで暗さもある雰囲気を感じられる湿ったアルバムだと思いました。

このブログの文章を書いているのが梅雨の時期だから余計にそう感じたのもありそうです。aikoにとっての夏も海水浴や水着みたいな底抜けに明るい感じではなくて、ちょっと影のある感じなのかもしれませんね。

アルバム発売したその週末からライブツアーLLP20も開幕しました。個人的には熱狂的なファンが何度も行くよりは、たくさんの人にaikoライブに来てほしいと思っているので、私はそんなにたくさんは参戦しない予定です(本当はお金ないだけ)。

チケットを取った公演はもう少し先ですけど、しめなつの曲も聴けるのが楽しみですよ。少なくともイントロと歌と曲名が一致するぐらいには聴き込んで準備していきたいと思います。久しぶりのホールツアーでaikoに逢って、生のaikoの歌やバンドの演奏を早く聴きたいですね!