こんにちは、takkaaaaa(@butterfly_2100)です。先日、歴代のランキング上位に入るレベルで大ヒット中の映画「君の名は。」を見てきました。これで最近のアニメ映画である「君の名は。」と「聲の形」を両方見たことになります。せっかくなので感想だけじゃなくて、比較もしてみますね。(少しネタバレあります)
君の名は。

「君の名は。」と「聲の形」の比較と感想

似てるところ

同時期の上映されている2つのアニメ映画で全然内容は違うけど、実は結構似ているところがあるんですよね。

  • 男子高校生が主人公で、ヒロインの女子高校生がかわいい
  • ヒロインに歳の離れた、かわいい妹がいる
  • ヒロインのおばあちゃんが重要人物
  • 主人公もヒロインも片親(三葉の母親は回想シーンで登場するけど)
  • 主人公に兄弟がいない(将也の姉はいるみたいだけど、登場しない)
  • なので、主人公とヒロインの家族構成が似ている
  • 岐阜県がモデルになっている
  • 絵が綺麗(特に「君の名は。」はジブリ映画のような絵です)
  • 音楽がいい
  • 空の描写がキーになっている(「君の名は。」の彗星、「聲の形」の花火)

どちらも高校生の男女が主役で、当然、恋愛も絡んでくるので、若者を中心に人気が出そうな感じです。舞台的に似てるところがあるので、確かに比較してみたくなってしまいます。

似てないところ1

でも、映画を両方見ると、実は全然違うということもわかりました。そこで、2つの映画の似てないところを考えてみたいと思います。1つ目は映画の方向性です。

「君の名は。」は男女が入れ替わって、目まぐるしい展開で爽快感のあるSF物語で、見終わった後も「楽しかったね」という感想がピッタリな映画でした。それに対して、「聲の形」の方ですけど、この動画をまず見てみましょう。

アップロードしているのは京都アニメーションですけど、映画のPVというよりはaikoの主題歌「恋をしたのは」のPVなのかな。

この動画を見ると、aikoの歌の印象もあるので、「聲の形」は主人公と耳の聞こえないヒロインが高校生になって再会する恋愛物語みたいで、「君の名は。」に引き続いて「聲の形」も見てみようというノリになりますよね。耳の聞こえない障害についての単純な話ではないこともわかります。

確かにそれは嘘ではないけど、この二人も含めた登場人物みんなが抱えているダークな部分が全くなくて、詐欺PVですよ笑。ただ、逆にこういうPVで映画館に足を運んでもらった方が、実際の映画を観たときのギャップで余計に心に来るものがあって感動して良いのかもしれませんね。

実際に両方観た感想としては、「君の名は。」は楽しい映画でエンターテイメント性が高いと思います。「聲の形」の方は楽しさは君の名はほどはなくて、かなり重いですが心にグサグサと突き刺さって来て感動する映画でした。

デートや友達同士で見るような「娯楽」としては「君の名は。」の方がいいと思いますが、「感動」という意味では「聲の形」の方が個人的には上かなと思います。

なので、先に「君の名は。」を見て、後から「聲の形」を見たほうがいいかと思います。私は先に「聲の形」を見たせいで、どうしても「君の名は。」を見たときに「聲の形」の方が感動したなぁと思ってしまったんですよね。。。

あ、別に「君の名は。」をdisりたいわけではないです。「君の名は。」は展開がテンポよく進んでいって、RADWIMPSのPVのようなところもあったけど、音楽も良くて楽しい映画で十分満足できて見て良かったですよ。どちらもとても良い映画ですよね。

似てないところ2

2つ目は作り手の性別についてです。

「君の名は。」の方ですけど、男女が入れ替わったら、まずは胸を揉むシーンとかあって、男性なら自分でもそうするなあと思いますよね。監督の新海さんの妄想も入っているのかな笑。ちょっと男性的な感じがしました(物語の爽快感もあるし、いい意味でもね)。

「聲の形」は原作の大今良時さん、監督の山田尚子さんなど女性が作り手の中心になっていて、影があるけど柔らかい世界が描かれていて女性的かなと思いました。主題歌もaikoですし。

似てないところ3

3つ目は登場人物の性格についての描写です。

「君の名は。」の主な登場人物はみんないい人だったと思います(瀧くんのバイト先のレストランに来たチンピラと、三葉を冷やかしていたクラスメイトのようなチョイ役には例外あるけど)。それもあって、嫌な思いをしないで見られる楽しい映画になっていました。

「聲の形」は主人公とヒロインも周りの人も嫌な部分を併せ持っている姿が描かれています。硝子がイジメられるところや、担任に完落ちしたあとの将也が孤立し続けるところなど、辛いシーンも多かったです。もちろん詐欺PVには出てきませんが笑。登場人物の誰もが欠点を抱えている姿があるからこそ、自分に重ね合わさる部分があって、心に突き刺さってくるのかと思います。原作のマンガから省略されているのかもしれませんが、植野さんの気持ちが映画の中では解決されていないのが気になるところではありました。

似てないところ4

4つ目は映画の舞台です。

「君の名は。」は瀧くんの住む東京(しかも山手線付近)と三葉の住む糸守町(架空のど田舎の町)が舞台になっています。「聲の形」は郊外の地方都市みたいだったけど、ロングシートの電車で通学してて遊園地もあって、大きめの病院もあるレベルなので、人口20~30万人ぐらいはありそうな感じでしょうか。

地方と都会の差があるので、「君の名は。」の最初の方では3年という時間の違いが全然わからなかったです。瀧くんの中に入った三葉はiPhone6を使って違和感を感じなかったのか?とか思ったけど、3年前だとiPhone5sなので、大きさ以外はそこまで変わってないのかもしれませんね。タイムリープもののSFで現在(2016年)の東京の風景描写も多いので、何回も見ると細かい所をツッコみたくなるのかもしれませんが、それは野暮なことでしょうね。

ちなみに自分は高校時代までは人口20万人弱の地方都市で育ってきたというのもあって、聲の形の人たちや、瀧くんの中に入った三葉のことを想像しやすかったかな。

似てないところ5

5つ目は映画の興行収入ですね。

「君の名は。」は約180億円で、「聲の形」は20億円を少し超えたぐらいみたいです(11月初め時点で)。約10倍違うんですよね。なので本当だと比較するのも「君の名は。」に失礼なのかもしれません。両方見た感じだと「君の名は。」の方が楽しい映画なので売れるのは当然だと思うけど、10倍もの差ってほどではないかなぁという気もします。「君の名は。」が売れすぎというのではなくて、「聲の形」ももう少し売れてもいいんじゃないかという意味で。

おわりに

「君の名は。」の感想を書こうと思って、単純に感想を書くだけだとつまらないので、「聲の形」との比較で書いてみたけど、聲の形のことの方をたくさん書いてしまった気もします。どちらもいい映画なことは確かだと思います。ファンとして最後に一言書いておくと、聲の形の主題歌であるaikoの「恋をしたのは」もどうぞ宜しくお願いしますm(_ _)m