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aiko「泡のような愛だった」感想~ポップなのにaikoの想いが伝わる切ないアルバム


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カテゴリ: aiko
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こんばんは、2014/5/28に発売になったaikoのニューアルバム「泡のような愛だった」を聴きまくっています。ここで、買ってまだ1週間弱の段階ですが、感想を書いてみたいと思います。

2015/3/9追記・・・ライブで聴いたのと楽曲を聴きこんできた感想を反映させて、全体的に加筆しました。

さっそく、1曲ずつ感想を書いていきたいと思います。

1. 明日の歌

アルバムのリードトラックでラジオなどでもよく流れていた曲です。MVも作られてあり、テレビでも歌ってましたね。

Bメロに歌詞を詰め込んであるのが印象的。ライブで上手に歌えるか心配だったけど、Mステでも歌えていたので大丈夫みたいですね。サビでドラムのシンバルがチッチッチッチッと細かく刻まれているのが好きです。佐野康夫さんのドラムいいですよね。

1番と2番のサビで「これはあなたの歌 嫌なあなたの歌」という歌詞がありますが、大サビでは「これはあなたの歌 好きなあなたの歌」という歌詞に変わります。別れて嫌に思っているけど、心の奥ではまだ好きな気持ちが現れている切ない歌詞なんですよね。

「明日の歌」という題名通り、明日へ歩いていこうという空気感が伝わってくる曲で好きです。

2. 染まる夢

イントロがなくてaikoのボーカルから始まる曲。Aメロのメロディーとリズムの合わさり方が変則的で歌うの難しいと思います。サビの最後で「足元ぉ~うぉ~おぉ~」って伸ばすところも印象的です。この曲はメロディーが工夫されていて、aikoが作曲面でチャレンジしている曲だと思います。

2番の後の間奏でキーボードのソロがあって、ものすごく大変そうですが、そこはたつたつさんのライブでの見せ所ですね。

3. Loveletter

シングル曲で前もって聴いていたLoveletterもこの曲順に入ると、また違った印象で、この曲の疾走感が引き立ってます。ピアノがメインな曲が多いaikoですが、この曲はギターロックですよね。

紅白の時に大サビの前でaikoが足をドンってやってましたが、聴きながらついつい自分もドンってやってしまいます。

4. あなたを連れて

バラード曲です。Aメロ→1番サビ→Bメロ→2番サビ→大サビ→Aメロという変わった構成になっています。いつもよりも多めの歌詞が詰め込まれているこのアルバムの中では、珍しく歌詞の少ない曲です。切ない雰囲気が出ていて、aikoの内面から湧き出てくる気持ちや人柄が伝わってくる感じの曲で、聴きこむ程好きになってきています。

LLP17ではaikoがキーボードの弾き語りで歌ってました。ライブで歌うのを聴いて、ますますこの曲の良さが染み入りました。好きな「あなた」のことをもっと知って近づきたいという想いが伝わってきて感動しました。

5. 距離

お正月のCDTVでかかった、あけおめCMの曲です。サビのファルセットがいいです。ミドルテンポの落ち着く曲調で癒されます。aikoは「私は歌が上手いのよ」っていうのを全面に押し出した歌い方をしないので、そこが癒やされる曲調に繋がっているのだと思います。

6. サイダー

このアルバムタイトルの「泡」につながる曲だと思います。ラジオで聞きましたが、aikoが炭酸水をよく飲んでいるところからこの曲が生まれたそうです。「愛してるって思う事 こんな感覚なのかなって」という歌詞が、恋する女子の気持ちを表現していてキュンとしますね。

7. 4月の雨

「4月の雨」はLoveletterと一緒の両A面のシングルでした。この曲もアルバムの流れに収まるとより魅力的になっています。しっとりと落ち着いてて癒やされる感じがいいですね。

Bメロの「何年も何年も前の遠い昔が」の部分で、「何年も」を2回繰り返して、「前の」が3音で少なくなっているところのリズムが好きです。繰り返したり、ずらしたりするaikoの作曲センスが絶妙ですよね。

8. 遊園地

ホーンも入って賑やかな曲です。間奏のホーンのソロがいままでのaikoの曲ではなかった感じでいいですね。スカやジャズみたいな感じを取り入れてますね。ライブでも盛り上がりますよ。

柔らかな思い出を部屋の埃と一緒に捨てた曲なのに、タイトルが楽しい思い出であったであろう「遊園地」というのが、aikoの良い意味でひねくれた性格が出ていて好きです。

9. 透明ドロップ

別冊カドカワ 総力特集 aikoのライナーノーツにも書いてありましたが、好きな人からさようならと言われたことを歌にしたそうです。

メロディーやリズムだけ聴くとポップな感じなんですが、聴くほどに別れた悲しさを感じられるようになってきました。2番のサビで「そばで」を3回繰り返しているところとか切なすぎです。

この曲でも佐野康夫さんの柔らかくて手数の多いドラムが合っていていいですね。佐野さんに限らずaiko楽曲のバンドメンバーとアレンジャーの島田さんは実は相当すごいんじゃないかと思います。

10. 君の隣

シングル曲でしたね。浅田真央ちゃんのチョコレートのCMでかかってました。去年のライブツアーLove Like Pop 16.5でも歌っていて、ファンのことを想って作った曲だと話していましたね。aikoがずっと歌っていたい気持ちが出ています。

aikoさん、大丈夫ですよ。ファンのみんなもずっと隣で歌っていてほしいと思っているから。

11. 大切な人

ここからラスト3曲はバラードが続きます。最後にバラードが続くのは「秋 そばにいるよ」と同じですよね、切ない感じが出て良いと思います。

アレンジャーの島田昌典さんが好きなメロトロンの音色が全面に出ていて、切なさを出しています。やさしいドラムとアコースティック・ギターも合っていて、アレンジが素晴らしいですね。

12. キスの息

「大切な人」はアコースティックなバラードだったのですが、次の曲の「キスの息」はロックなバラードですね。

サビの「・・・キスの息~」のところが低音でaikoにはあまりない感じだと思いました。また、サビでだんだん音階が低くなっていくのは「かばん」を思い出しますね。

「あと2時間でまた朝が来る」っていう歌詞が夜型の生活を送っているaikoらしいです。ちょっとエロさもある歌詞ですが、そういうのを超越したような歌になっていると思います。夜に聴きたい曲ですね。

13. 卒業式

aikoはあまり季節の行事の曲を歌っていないと思いますが(「桜の時」はあるけど)、この曲は「卒業式」というそのままズバリな曲です。卒業してしまったら、もう二度と会えなくなるような気持ちが出ています。卒業式にぜひかけて欲しい曲ですね。

とくに最後の大サビ前のブリッジが壮大な感じになっていて、アルバムの最後を締めくくる感じで良いですね。この壮大な感じは島田さんお馴染みのストリングスのアレンジの良さも出ていて、学生生活の思い出が走馬灯のように流れる感じだと思いました。

まとめ

aikoといえば、恋する女子の気持ちを歌った歌詞と、aiko節の変わったメロディーが特徴というのが一般的なイメージだと思うのですが、「泡のような愛だった」はaikoの内面に秘めた強い想いが現れたアルバムになっていると感じました。

前作「時のシルエット」では、「恋のスーパーボール」「ホーム」のようなキラキラしたポップな曲、「くちびる」のようなグルーヴ感のある曲、「Aka」のような壮大な名バラードもあり、全体的に楽曲のクオリティーが高かったかと思います。

今作の「泡のような愛だった」はその楽曲のクオリティーの高さはそのままに、aikoの気持ちがより全面に出てきていて、aikoという人の魅力が感じられるアルバムですね。

ナタリーの特集(ナタリー – [Power Push] aiko「泡のような愛だった」インタビュー)も読みました。今作は文字数が多くて畳み掛けるような歌詞の歌が多く、aikoが思っていることを吐き出しきっているそうです。

今までもそうだったのですが、aikoのアルバムは聴くほどに良さがわかってくるところがあります。もっと聴きこんで行きたいと思います。

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